GISBox

BSQ(Band Sequential)ファイルとデータ形式

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

BSQ(Band Sequential)は、複数バンドのラスターデータを保存するためのファイル形式で、リモートセンシング、地理情報システム(GIS)、画像処理などの分野で広く利用されています。BSQ はバンド順にデータを保存する形式であり、各バンドのデータが線形に配置されており、シンプルで効率的な構造が特徴です。

データフォーマットの概要

BSQ 形式では、マルチバンドデータを以下のように構成します:

  1. **バンド順序による保存:
    **各バンドのデータはファイル内で順番に保存されます。最初に第 1 バンドのデータを保存し、その後第 2 バンドと続きます。各バンド内のピクセル値は、行優先(ラインオーダー)で配置されます。
  2. ファイル構成

BSQ ファイルは主に以下の 2 種類のファイルで構成されます:

  • 主ファイル:実際のデータ値を保存します。
  • 補助ファイル(ヘッダファイル):たとえば「.hdr」形式で、以下のようなメタデータを保存します:画像サイズ(行数、列数、バンド数)、データ型(整数型、浮動小数点型など)、投影情報など。
  1. 対応する解像度とデータ型
  • BSQ 形式は高スペクトルデータの保存に適しており、数十から数百のバンドをサポートできます。
  • データ型は柔軟で、8 ビット、16 ビット整数、32 ビット浮動小数点数などをサポートします。

長所

  1. シンプルな保存構造:各バンドが連続して保存されるため、特定バンドのデータの読み取りや操作が効率的です。
  2. バンド処理が効率的:単一または少数のバンドを操作する場合(例:画像強調や分類)、不要なデータ読み取りを回避でき、処理速度が向上します。
  3. 理解と実装が容易:保存ロジックが明確で、低複雑度のプログラムでも簡単に実装できます。
  4. 互換性:多くのリモートセンシングソフトウェアや画像処理ツール(例:ENVI、ERDAS、ArcGIS など)が BSQ 形式をサポートしています。

短所

  1. 複数バンドの読み取り効率が低い:全バンドを読み取る場合、バンド間でポインタを切り替える必要があるため、BIL(Band Interleaved by Line)や BIP(Band Interleaved by Pixel)形式と比較して効率が劣ります。
  2. 保存容量が大きい:バンド順序で保存するため、データ圧縮がなく、ファイルサイズが大きくなります。
  3. ランダムアクセスの柔軟性が不足:複数バンドを同時にアクセスする必要がある場合や、頻繁にバンドを切り替える用途には適しません。

応用シーン

BSQ ファイル形式は、バンド順序でデータを保存する特性から、特に単一バンドまたは少数バンドの処理に適しており、リモートセンシング、地理情報システム(GIS)、高スペクトルデータ分析などの分野で広く利用されています。農業モニタリングでは植生指数や作物の健康状態を分析するために使用され、地質探査では鉱物分布のスペクトル反射特性を抽出するのに役立ちます。水文学研究では水域の反射特性の分析に利用され、都市計画ではヒートアイランド現象の監視に用いられます。さらに、土地分類や高スペクトル目標検出など、高精度のバンドデータ処理が必要なアプリケーションにも適しています。

  1. BSQ 形式の例。

  1. BIP、BIL、BSQ 形式の保存方式の比較。

ファイルの開き方

  1. BSQ ファイルを BIP 形式に変換。

  1. ER Mapper で BSQ ファイルを開く方法。

関連 GIS ファイル

RDC

BIL

BIP

OVR

参考

  1. http://www.cr.chiba-u.jp/GP/Terra/ImageProc/exercise/imrect/imrect4.html
  2. http://acronymsandslang.com/definition/360983/BSQ-meaning.html
  3. https://www.researchgate.net/figure/Samples-arrangements-a-Band-Sequential-BSQ-b-Band-Interleaved-by-Pixel-BIP-c_fig2_344403083