百度座標系(Baidu Coordinate System,略してBD09)
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概要
百度座標系(BD09)、正式名称は百度座標システム(Baidu Coordinate System)であり、中国本土の地理情報システムの特殊なニーズに対応するために百度(Baidu)が開発した座標系です。この座標系は、WGS84 座標系(1984 年世界測地系)を基に暗号化処理を施したもので、中国本土内で正確な地理位置情報を提供するために設計されています。
データフォーマットの概要
百度座標系(BD09)は、GCJ-02 座標系に基づいてさらに暗号化を行った座標系であり、主に百度地図上の位置情報やナビゲーションに使用されます。BD09 座標系のデータ形式には主に以下の 2 種類があります:
1. BD09 経緯度投影
- 座標値形式:経緯度形式
- 単位:度
- 特徴:GCJ-02 経緯度を基に、百度独自の偏差アルゴリズムをさらに適用し、地図データの安全性と精度を向上させています。
2. BD09 Web メルカトル投影
- 座標値形式:Web メルカトル形式
- 単位:メートル
- 特徴:GCJ-02 Web メルカトルに基づき、百度独自の偏差処理をさらに施しています。
長所
- 位置精度の向上:BD09 座標系は中国の地形や地貌の特徴に適応し、特に都市部の密集地域では位置精度が大幅に向上しています。
- ユーザーのプライバシー保護:暗号化アルゴリズムを採用しているため、BD09 座標系はユーザーのプライバシー保護に優れており、位置データの不正な取得や利用を効果的に防止します。
- ローカライズニーズへの対応:BD09 座標系は中国本土でより正確な地理位置サービスを提供するために設計されており、ローカルニーズへの深い理解と対応が可能です。
短所
- クロスプラットフォーム互換性の欠如:暗号化処理が施されているため、BD09 座標系は他の座標系と直接的に互換性がなく、データ交換が不便です。
- 技術的なハードルの高さ:暗号化アルゴリズムはセキュリティを向上させますが、同時にデータ処理の複雑さを増加させます。そのため、開発者にとっては高い技術的ハードルとコスト負担が発生します。
応用シーン
BD09 座標系は主に百度地図で使用され、ユーザーに正確なナビゲーション、位置情報検索、地理情報サービスを提供しています。スマート交通、都市計画、災害予警などの分野では、大規模データ分析やクラウドコンピューティングと組み合わせることで、スマートシティの構築や地理情報サービスにおいて強力な技術サポートを提供しています。
例えば、スマート交通システムにおいては、BD09 座標系を利用することで車両のリアルタイム位置把握やルート計画が可能となり、道路の通行効率を向上させ、交通事故の発生を減少させます。
例
- BD09 経緯度の例。
- BD09 投影のインポート方法。
関連座標系
地理座標系
2000 座標系
投影座標系
GPS 座標系
参考
- https://blog.csdn.net/hap1994/article/details/139520297
- https://blog.csdn.net/weixin_42326851/article/details/140798083
- https://www.jianshu.com/p/559029832a67
- https://www.weblio.jp/content/BD-09
- https://ja.wikipedia.org/wiki/中国における地理的データの制限#:~:text=百度地図は BD-09,した座標系である。