BIP(Band Interleaved by Pixel)ファイルとデータ形式
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概要
BIP(Band Interleaved by Pixel)は、ピクセル交互型のバンドフォーマットであり、ラスターデータの保存形式の一つです。この形式では、各ピクセルにおける全てのバンドの値が順にまとめて保存されます。つまり、あるピクセルの全てのバンドデータが隣接して保存されており、1 つ目のバンドデータ、2 つ目のバンドデータ……といった順に別々に保存される BIL 形式や BSQ 形式とは異なります。この形式では、各ピクセルの値が連続するバイトとして保存されるため、ピクセル間の距離が最小化され、データの読み書きが効率的になります。

データフォーマットの概要
- ファイルヘッダ:ファイルサイズ、バンド数、ピクセルサイズ、データタイプなどのメタデータを含みます。これらの情報は BIP ファイルを正確に読み取り、処理するために不可欠です。
- バンドデータ:各ピクセルの全てのバンド値を順に保存する BIP 形式に従い、ファイルの主体部分を構成します。バンドデータはバンド番号の順序に基づいて配置されます。
長所
- ピクセル単位の操作効率が高い:BIP 形式では各ピクセルの全てのバンド値が連続して保存されているため、ピクセル単位の操作(画像の強調処理やフィルタリングなど)を効率的に行うことができます。この保存方式によりデータ読み取りの複雑さが軽減され、処理効率が向上します。
- メモリアクセスを節約:多バンド画像を処理する際、BIP 形式ではメモリアクセス回数を減らすことで処理速度を向上させることができます。全てのバンドデータが隣接して保存されているため、一度のメモリアクセスで複数のバンドデータを読み取ることが可能となり、遅延やオーバーヘッドが軽減されます。
- 画像処理アルゴリズムの簡略化:BIP 形式により、多バンド画像の処理アルゴリズムを簡潔かつ直感的に実装できます。各ピクセルの全てのバンド値がまとめて保存されているため、一つのデータセットとして扱い、効率的に処理を行うことが可能です。
短所
- ファイルサイズが大きい:BIP 形式のファイルは、他の形式(例えば、BIL 形式やバンド別保存形式)と比べてサイズが大きくなることがあります。
- バンド単位の操作が複雑:BIP 形式はピクセル単位の操作に適していますが、バンド単位の操作には不向きです。特定のバンドを単独で処理または分析する場合、データを他の形式(例:BIL 形式や BSQ 形式)に変換する必要が生じる場合があります。
- 特定バンドのアクセスが不便:全てのバンドデータが密接に保存されているため、特定のバンドデータへのアクセスには追加の計算が必要となる場合があります。これにより、大規模なデータセットの処理時にはパフォーマンスが低下する可能性があります。
- 依存性:BIP 形式の利便性は、使用するソフトウェアやハードウェア環境にも依存します。一部のソフトウェアやハードウェアは BIP 形式の処理に適している一方で、他の形式の処理に優れる場合もあります。
応用シーン
BIP 形式は、地理情報システム(GIS)やリモートセンシング画像処理など、幅広い分野で利用されています。ラスターデータ処理時に高速アクセスを提供できる点が特徴です。全てのバンドデータが同じピクセル位置に保存されているため、多バンドデータや大規模データセットを効率的に処理できます。また、ピクセル単位の操作時には計算効率が向上します。
例
- BIP バンド例。

- BIP 形式リモートセンシング画像

ファイルの開き方
- GIS ソフトウェアを使用して、BIP 形式の GIS 画像を開く。

関連 GIS ファイル
RDC
BIL
TIFF
OVR
参考
- https://zhuanlan.zhihu.com/p/414220619
- https://www.jianxieku.cn/suo-xie/b/bip_37896.html
- https://desktop.arcgis.com/ja/arcmap/latest/manage-data/raster-and-images/bil-bip-and-bsq-raster-files.htm