GISBox

IMDF(Indoor Mapping Data Format)ファイルとデータ形式

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

** IMDF**(Indoor Mapping Data Format)は、Apple が開発した屋内マッピングデータフォーマットであり、屋内ナビゲーションや位置情報サービスを提供するために使用される。IMDF は、GeoJSON に基づいたデータフォーマットであり、建物の構造、フロア、施設、出入口、通路、POI(Point of Interest)などの情報を標準化された形式で格納することができる。このフォーマットは、Apple Maps をはじめとする屋内マッピングシステムやアプリケーションで活用され、GIS(地理情報システム)や施設管理、スマートシティのプロジェクトにおいて重要な役割を果たしている。

データフォーマットの概要

IMDF ファイルはGeoJSON ベースの構造を持ち、以下の主要な要素を含む。

  1. VENUE(会場情報):建物や施設全体の情報(名称、住所、カテゴリーなど)
  2. FEATURES(地物データ):建物内部の各要素を定義する情報
  • UNIT(ユニット):部屋やエリアを表すポリゴン(オフィス、店舗、会議室など)
  • LEVEL(レベル):建物の各階層を表す情報
  • ANCHOR(アンカー):建物内の重要なポイントを示す座標情報
  • VERTEX(頂点):マップの描画に必要な座標点情報
  • ADDRESS(アドレス):施設の住所情報
  • ENTRANCE(入口):建物の出入口の情報
  • NAVIGATION(ナビゲーション):歩行者経路や移動ルートの情報
  • OCCUPANT(テナント情報):施設内の店舗や企業の情報
  • KIOSK(案内端末):インフォメーションセンターやタッチパネルの位置
  1. RELATIONSHIPS(関連情報):異なるオブジェクト間の関連性(例:特定の階に属する部屋、部屋と通路の接続など)
  2. GEOMETRY(幾何情報):各オブジェクトの形状を示す座標データ(ポリゴン、ライン、ポイント)

IMDF のデータ構造は階層的に整理されており、施設全体(VENUE)→ フロア(LEVEL)→ 部屋(UNIT)といった詳細な情報を格納できる。

長所

  1. Apple Maps との高度な互換性:IMDF は Apple が開発したフォーマットであり、Apple Maps に直接インポートすることで、屋内マップとして利用可能。Apple のエコシステム(iPhone、iPad、Mac)と統合しやすい。
  2. GeoJSON ベースで扱いやすい:一般的な JSON 形式のため、データの解析や編集が容易。多くの GIS ソフトウェアやプログラムで簡単に処理できる。
  3. 詳細な屋内情報を提供可能:建物の構造やフロア、テナント、ナビゲーション経路など、屋内空間に関する詳細な情報を含むことができる。
  4. 軽量で柔軟なデータフォーマット:JSON 形式のため、データサイズが比較的小さく、ウェブやモバイル環境でも高速に処理可能。
  5. スマートシティや施設管理に適用可能:空港、商業施設、病院、オフィスビルなどの屋内マップ作成に活用でき、施設管理やナビゲーションシステムの構築に役立つ。

短所

  1. Apple 依存度が高い:Apple Maps 向けに最適化されたフォーマットであり、Google Maps や他の GIS プラットフォームではそのまま利用できない。別のフォーマットへの変換が必要になる場合がある。
  2. 標準フォーマットとしての普及度が低い:Shapefile(SHP)や GeoJSON などと比較すると、IMDF の認知度やサポートは限られており、他の GIS ツールとの互換性に制約がある。
  3. 屋外地図との統合が困難:屋内マッピングに特化したフォーマットのため、屋外地図(道路ネットワークや地形データ)と統合する際に追加のデータ変換が必要となる。
  4. データ作成に専門知識が必要:IMDF フォーマットを正しく作成するには、GeoJSON や GIS の知識に加えて、Apple のガイドラインに準拠する必要がある。適切なデータ構造を確保しないと、Apple Maps で正しく表示されないことがある。

応用シーン

IMDF ファイルは、屋内マッピングを必要とするさまざまなシナリオで利用される。例えば、空港、ショッピングモール、病院、大学キャンパス、オフィスビルなどの施設で、正確な屋内マップを作成し、ナビゲーションシステムに活用することができる。また、スマートシティプロジェクトやデジタルツインの構築にも適しており、施設管理、案内システム、アクセシビリティ向上のために利用されることが多い。Apple Maps を活用することで、利用者は iPhone や iPad で直感的に屋内のルートを確認し、目的地へスムーズに移動できるようになる。

  1. IMDF ファイル例。

  1. IMDF のデコード。

ファイルの開き方

  1. スマホで IMDF ファイルを確認する。

  1. 2 次元形式で表示された IMDF 形式のファイル。

関連 GIS ファイル

STYLX

E00

E02

MID

参考

  1. https://zenn.dev/shu223/articles/indoor_maps_ios
  2. https://www.macotakara.jp/news/entry-37635.html
  3. https://appleinsider.com/articles/21/02/24/apples-indoor-mapping-format-adopted-as-community-standard