Web Map Tile Service（略して WMTS）

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

WMTS（Web Map Tile Service、ウェブ地図タイルサービス）は、事前に生成されたタイルを利用して電子地図サービスを提供するためのソリューションです。この標準は、タイルマップを提供するための操作を定義し、ユーザーが地図タイルにアクセスできるようにします。WMTS は、WMS（Web Map Service）の欠点であるタイル分割マップの提供不能を補い、事前定義されたタイル方式を採用してデジタル地図サービスを公開する標準化されたソリューションを提供します。WMTS サービスの目的は、タイルマップを効率的に提供することです。

データフォーマットの概要

1. 画像形式

一般的な形式: JPEG、PNG、WEBP など。
WMTS は GIF や TIFF などの他の画像形式にも対応していますが、WMTS での利用は比較的少ないです。

2. タイル形式

タイル（Tile）: 地図データの最小単位。WMTS は地図全体を小さなタイルに分割し、それぞれのタイルが特定の URL に対応します。タイルの形式は画像形式と一致することが多く、主に PNG または JPEG が使用されます。タイルをリクエストする際には、formatパラメータを設定して必要な画像形式を指定できます。

3. 座標系とタイルマトリクス形式

座標参照系（CRS）: WMTS サービスは、WGS 84 や EPSG:3857（Web メルカトル投影）など、さまざまな座標参照系に対応しています。タイルをリクエストする際には、必要な座標参照系を指定する必要があります。
タイルマトリクスセット（TileMatrixSet）: タイルマトリクスセットは、地図タイルの各レベルと解像度を定義します。各タイルマトリクスセットはタイルマトリクス識別子によって識別され、タイルの行列番号、ピクセルの幅と高さ、タイルの水平・垂直範囲、スケール分母などのパラメータを含みます。タイルをリクエストする際には、必要なタイルマトリクスセットを指定する必要があります。

長所

高性能: 事前にレンダリングされた地図タイルを利用することで、クライアント側で地図を高速に読み込み・表示でき、ユーザー体験が向上します。
高い拡張性: WMTS サービスは分散キャッシュなどのネットワークメカニズムを活用してスケーラビリティを実現し、さまざまな規模の地図サービス需要に対応できます。
標準化: WMTS は OGC（Open Geospatial Consortium）が策定した標準化サービスであり、高い相互運用性と互換性を備えています。

短所

柔軟性の制限: WMS などの動的地図サービスに比べ、WMTS が提供する地図タイルは静的であるため、カスタマイズされた地図サービスを提供することはできません。
データ更新の遅延: WMTS サービスは事前にレンダリングされた地図タイルに依存しているため、地図データが変更された場合、タイルを再生成する必要があり、データの更新に遅延が生じる可能性があります。

応用シーン

WMTS は、サーバー側で異なるスケールの地図タイルを事前レンダリングし、クライアント側でキャッシュを利用することで、高速な配信速度、低帯域幅、優れたユーザー体験を実現します。静的かつ事前レンダリングされた地図タイルを提供することで、インターネット上で大量のデータを迅速に表示し、複雑な分析機能を必要とせずに利用できます。WMTS サービスは、他のアプリケーションが地図背景を必要とする際に、高性能の地図サポートを提供する基盤地図サービスとして利用できます。

例

タイルマップの規格図。

WMTS の配信側の規格。

ファイルの開き方

WMTS サービスのアドレスを QGIS に読み込んで画像を閲覧。

WMTS サービスのアドレスを ThinkGeo に読み込んで画像を閲覧。