WOR（World File）ファイルとデータ形式

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

WOR ファイルは、MapInfo Professional の地理情報システム（GIS）ソフトウェアで使用されるワークスペース（Workspace）を保存するファイル形式であり、拡張子は「.wor」です。このファイルは地理データ自体を直接保存するのではなく、マップのレイヤー構成、スタイル設定、データソースのパスなどを記録し、特定の GIS プロジェクトのマップレイアウトや分析ビューをすばやく再現するために使用されます。WOR ファイルを利用することで、作業環境を保存・復元でき、GIS 業務の効率が向上します。

WOR ファイルは本質的にテキスト形式のファイルであり、通常のテキストエディタで開くことができます。その内容は MapBasic プログラミング言語に基づくコマンドの集合であり、プロジェクト内の地図データソース、レイヤーのプロパティ、マップウィンドウの表示方法などを記述しています。

データフォーマットの概要

基本構成

作業環境の記述：マップウィンドウのサイズ、位置、背景色、凡例などの表示属性を含む。
データソースのパス：GIS プロジェクトで使用されるデータファイル（TAB、SHP、ラスターデータなど）のパスを記録。
レイヤー情報：各レイヤーのスタイル、レンダリングルール、表示順、シンボル設定を定義。
座標系の設定：マッププロジェクトが使用する座標系（WGS84 や投影座標系など）を指定。

2. 主な特徴

可読性：WOR ファイルはテキスト形式であり、簡単に編集や解析が可能。
外部ファイルとの関連：WOR ファイル自体に地理データは含まれず、TAB、DAT、SHP ファイルなどの外部データが必要。
高い保存効率：WOR ファイルには参照情報のみが保存されるため、ファイルサイズが小さく、プロジェクトの読み込みが高速。

長所

軽量で効率的：設定情報のみを記録するため、ファイルサイズが小さく、共有や転送が容易。
作業の効率化：プロジェクト環境を迅速に復元でき、データの再読み込みやレイヤー設定の調整が不要。
柔軟性が高い：MapBasic やテキストエディタを使用して手動で編集が可能で、動的なニーズに対応しやすい。
複雑な設定を記録可能：マルチレイヤー、異なる座標系、複数のウィンドウレイアウトなどを保存できる。

短所

外部データに依存：WOR ファイル単体では地理データを保持せず、関連する外部データがないと正しく機能しない。
パスの問題：WOR ファイルには絶対パスが保存されるため、異なるデバイスで使用する際には手動でパスを修正する必要がある場合がある。
互換性の制限：主に MapInfo で使用される形式であり、他の GIS ソフトウェアではサポートが限られる。

応用シーン

WOR ファイルは、GIS プロジェクトの管理やコラボレーションに広く活用されています。都市計画やインフラ整備の分野では、エンジニアが WOR ファイルを使用して、都市地図、交通ネットワーク、パイプライン配置などの複数のレイヤー情報を迅速に読み込み、表示することで、協働設計を実現できます。環境保護や資源モニタリングの分野では、研究者が WOR ファイルを活用して、土地被覆分類図や汚染拡散モデルなどの分析結果を保存し、後の再利用や共有を容易にすることができます。商業施設の立地分析においては、WOR ファイルを用いた多変量オーバーレイ分析が可能であり、人口密度、交通アクセス、消費力などの要素を視覚化することで、企業の意思決定を支援します。さらに、WOR ファイルは教育・研修の場面でも活用されており、事前に設定されたマッププロジェクトを通じて GIS 技術の応用事例を示し、学習者に実践的なトレーニングツールを提供します。

例

基本的な WOR ファイルの内容。

より複雑な WOR ファイルの例。

ファイルの開き方

テキストエディタで開く。

MapGIS での表示。