STYLX(Style File for ArcGIS)ファイルとデータ形式
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概要
STYLX(Style File for ArcGIS)は、Esri 社の GIS ソフトウェア(ArcGIS Pro や ArcGIS Online など)で使用されるスタイルファイルの形式です。地図シンボルやラベル、色設定、フォント情報、塗りつぶしパターンなどのスタイル要素を含んでおり、地図の視覚的な表現を統一・管理するために使用されます。STYLX ファイルは、ArcGIS Pro の「スタイルマネージャー」を通じて作成・編集でき、複数のシンボルを 1 つのファイルにまとめることが可能です。これにより、地図のデザインを一貫性のあるものにし、共有や再利用を容易にします。

データフォーマットの概要
STYLX は、SQLite データベース形式を基盤としており、内部的にはシンボルやスタイル要素をデータベース内に格納します。STYLX ファイルは通常、以下の要素を含みます。
- シンボル:点、線、面(ポリゴン)用のシンボルスタイル
- カラーパレット:ユーザー定義のカラースキーム
- フォント:ラベルやテキストのフォント情報
- 塗りつぶしパターン:ポリゴンのテクスチャやグラデーション設定
- ラベルスタイル:文字の表示方法(位置、サイズ、色など)
STYLX ファイルは、ArcGIS Pro や ArcGIS Online で直接利用できるほか、JSON や XML に変換してカスタマイズすることも可能です。
長所
- スタイルの統一性:同じスタイルを複数のプロジェクトやマップで使用できるため、デザインの一貫性を保てる。
- 再利用性が高い:一度作成した STYLX ファイルを使い回し、異なる GIS プロジェクトで活用可能。
- 簡単に適用・変更できる:ArcGIS Pro の「スタイルマネージャー」を使って、シンボルやフォントを簡単に編集・更新可能。
- カスタマイズが容易:JSON/XML に変換して細かくカスタマイズしたり、スクリプトを使って自動化することが可能。
- ArcGIS エコシステムとの互換性:ArcGIS Pro、ArcGIS Online、ArcGIS Enterprise で直接利用できるため、Esri 製品のワークフローに適合しやすい。
短所
- Esri 製品に依存:STYLX ファイルは Esri 独自の形式であり、QGIS などの他の GIS ソフトでは直接利用できない。
- ファイルサイズが大きくなることがある:多くのシンボルや高解像度テクスチャを含むと、STYLX ファイルのサイズが大きくなり、読み込み速度に影響を与える可能性がある。
- 学習コストがある:ArcGIS Pro の「スタイルマネージャー」の操作や、シンボルのカスタマイズ方法を理解する必要がある。
- バージョンの互換性に注意が必要:ArcGIS の異なるバージョン間で STYLX ファイルを使用する際、互換性の問題が発生する可能性がある。
応用シーン
企業や政府機関が、一貫したブランドイメージを持つ地図を作成するために使用。ArcGIS Online や ArcGIS Enterprise で STYLX を使用することで、スタイルを統一した Web マップを作成可能。ArcGIS Pro の 3D ビュー(Scene Viewer)で 3D シンボルを適用し、建物や地形をリアルに表現。組織内やプロジェクトチームで、統一したスタイルを共有するために使用。
例
- STYLX スファイルのダウンロード

- STYLX スファイル例。

ファイルの開き方
- SLYR を使用してファイルを ArcGIS Pro .stylx 形式に変換する。

関連 GIS ファイル
3DD
LYR
LYRX
QLR
参考
- https://blog.esrij.com/2019/03/29/post-32927/
- https://ru.filedesc.com/file/stylx
- https://gis.stackexchange.com/questions/480342/combining-arcmap-style-files-into-one-file
- https://slyr.north-road.com/user_guide/tools.html#arcgis-pro