GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
QML(Qt Meta-Object Language)レイヤースタイルファイルは、地図レイヤーのスタイルを定義するためのファイル形式です。これは、Qt フレームワーク内で UI 要素の外観や動作を記述・カスタマイズするためのドメイン固有言語の一つです。
GIS 分野では、QML レイヤースタイルファイルは Qt ベースの GIS ソフトウェアやアプリケーションで広く使用され、地図レイヤーのレンダリングや表示スタイルを定義するために活用されます。開発者は QML レイヤースタイルファイルを使用して、地図要素の外観、ラベル、シンボルなどをカスタマイズし、さまざまな地図表現のニーズを実現できます。

データフォーマットの概要
QML ファイルは通常、以下のような部分で構成されます:
- インポート宣言:必要な Qt モジュールやカスタム QML コンポーネントを指定します。
- ルート要素:QML ファイルのルートオブジェクトを定義し、通常は Item や Rectangle などの可視要素になります。
- プロパティバインディング:オブジェクトのプロパティとその値を定義します。
- 子要素:ルート要素内にネストされた他の QML オブジェクト。
長所
- 宣言型デザイン:QML は宣言型言語を採用しており、開発者は QML ファイル内で直接 UI 要素やレイアウトを記述できます。各コンポーネントごとにクラスを記述する必要がないため、開発効率が大幅に向上します。
- ビジュアル開発:Qt Creator などの IDE を使用すれば、QML デザインをリアルタイムでプレビュー可能です。コンパイルや実行なしに UI の変更を即座に確認できるため、デザインの反復や最適化が容易になります。
- クロスプラットフォーム対応:QML で作成した UI はデスクトップ、モバイル、組み込みデバイスなど複数のプラットフォームで動作するため、本当の意味でのクロスプラットフォーム開発が可能です。
- レスポンシブデザイン:QML は純粋な CSS のような方法で、異なる画面サイズに適応するレスポンシブ UI を構築できます。これにより、異なるデバイスでも快適なユーザー体験を提供できます。
- 豊富なアニメーションとエフェクト:QML には強力なアニメーションシステムが組み込まれており、複雑な UI 変換も簡単に実装可能です。これにより、インターフェースをよりダイナミックで魅力的にできます。
- 高いメンテナンス性と再利用性:QML は UI 要素をコンポーネントとして分割できるため、コードの構造が明確であり、メンテナンスや拡張が容易です。
- 迅速なイテレーション:QML はホットリロード機能を備えており、コードの編集結果を即座に反映できます。これにより、開発やデバッグのスピードが向上します。
短所
- パフォーマンスの問題:大量のデータや複雑な UI を処理する場合、QML のパフォーマンスは C++で直接記述した UI に比べて劣る可能性があります。特に、オーディオ・ビデオのエンコード/デコードなど計算負荷の高いタスクでは、QML のパフォーマンスに制約があります。
- 学習コスト:QML には新しい構文や概念が含まれるため、従来の C++開発と比べて学習コストが発生します。QML 言語や GIS スタイリングの概念に不慣れな開発者にとっては、習得に時間がかかる場合があります。
- コミュニティサポートの不足:Qt コミュニティは活発ですが、主要な開発プラットフォームと比較すると、QML の情報やサポートはやや不足しています。そのため、開発中に適切な解決策や資料を見つけるのが難しい場合があります。
- 日本語対応の問題:QML ファイルは日本語の扱いに問題が発生することがあります。例えば、QML ファイル内で日本語を使用すると文字化けする可能性があります。これを回避するために、「UTF-8 with BOM」で保存するなどの対策が必要です。
応用シーン
QML レイヤースタイルファイルは、さまざまな GIS アプリケーションのシナリオに適用でき、地図作成、地理データの可視化、位置情報サービス、地理情報の表示などに活用されます。これにより、個性的な地図スタイルやデータの可視化効果を実現できます。
例
- QML タイプコンパイラ。

- QML ファイル。

ファイルの開き方
- Qt Creator で QML ファイルを開く。

関連 GIS ファイル
STYL
DWG
E02
MID
参考
- https://ja.wikipedia.org/wiki/QML
- https://doc.qt.io/qt-6/qtqml-index.html
- https://file.org/extension/qml
- https://docs.fileformat.com/gis/qml/