QLR(QGIS Layer Definition File)ファイルとデータ形式
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概要
QLR(QGIS Layer Definition File)は、QGIS(オープンソースの GIS ソフトウェア)で使用されるレイヤ定義ファイルです。QLR ファイルは、データソース自体を保存するのではなく、レイヤの設定やスタイル、シンボル、ラベルなどのレイヤの構成情報を格納する役割を持ちます。

データフォーマットの概要
QLR ファイルはXML(Extensible Markup Language)形式で記述されており、以下のような情報が含まれます。
- データソース情報(SHP、GeoJSON、PostGIS、WFS など)
- スタイル設定(色、線の太さ、ラベル、透過度 など)
- シンボル設定(ポイント、ライン、ポリゴン など)
- フィルタ条件(特定の属性値に基づいた表示ルール)
- 座標参照系(CRS)情報
この XML 形式により、QGIS 上で再利用可能なレイヤ設定を簡単に管理・共有できます。
長所
- レイヤ設定の一元管理:QLR ファイルを使用することで、レイヤのスタイルや属性設定を統一し、QGIS 内で簡単に適用できます。
- XML 形式で可読性が高い:QLR ファイルは XML 形式なので、テキストエディタで直接編集が可能です。設定を手動で修正したり、テンプレートとして活用することができます。
- データソースを変更せずに設定を適用可能:QLR はデータ自体を保存せず、データの参照先とスタイル設定のみを保存するため、元のデータを変更せずにレイヤの表示方法を調整できます。
- チーム内での設定共有が容易:複数のユーザーが同じ QLR ファイルを使用することで、統一されたレイヤ設定を適用でき、作業の一貫性を確保できます。
短所
- データ自体は含まれない:QLR ファイルにはデータそのもの(SHP、GeoJSON など)は含まれないため、データを別途管理する必要があります。
- QGIS 専用のフォーマット:QLR ファイルは QGIS に特化したフォーマットであるため、ArcGIS などの他の GIS ソフトウェアでは利用できません。
- データソースのパスが変わると参照できなくなる:QLR ファイルはデータの保存場所を参照しているため、データのパスが変更されると、正しく読み込めなくなる可能性があります。ネットワークドライブやリモートサーバーを利用する場合は、パスの管理に注意が必要です。
応用シーン
複数の GIS ユーザーやチームが統一されたレイヤ設定を使用する場合、QLR ファイルを活用することでレイヤの統一管理が可能になります。異なるプロジェクトで同じレイヤ設定を使いたい場合、QLR ファイルを使うことで一貫性を保ったままレイヤを再利用できます。データの保存場所や属性を変更せずに、異なる QGIS プロジェクト間でレイヤの設定を共有できます。例えば、PostGIS や WFS などのデータベース接続情報を QLR に保存し、各プロジェクトで統一した設定を適用することができます。
例
- .qlr ファイル例。

- .qlr ファイルを保存する。

ファイルの開き方
- .qlr ファイルへのアクセス。

- .qlr ファイルを作成。

関連 GIS ファイル
3DD
LYR
LYRX
MWS
参考
- https://septima.dk/nyheder/The-QLR-Browser-Plugin
- https://en.filedesc.com/file/qlr
- https://gis.stackexchange.com/questions/466528/saving-added-geojson-data-in-the-browser-for-future-use-in-qgis
- https://getspatial.com/gisblog/tip-of-the-day-create-layer-definition-files-for-reuse-and-consistency/