GPS座標系(WGS座標系|EPSG:4326)
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概要
GPS(全地球測位システム)で使用される座標系は、通常 WGS84(World Geodetic System 1984) に基づいた地理座標系(EPSG:4326)です。この座標系は、地球上の任意の点の緯度と経度を特定するための世界共通の参照系です。WGS84 は地心座標系であり、地球の重心を原点としています。このため、ナビゲーション、測量、地図作成、地理情報システム(GIS)など幅広い分野で利用されています。
データフォーマットの概要
座標は緯度と経度の形式で表され、一部のアプリケーションでは高さ情報(楕円体高、単位はメートル)が付加されます。その保存形式は以下の通りです:
- テキスト形式:GeoJSON、CSV、KML などのファイル形式では、WGS84 座標は数値として直接保存されます。
- データベース形式:PostGIS のようなデータベースでは、通常 SRID 4326 の形式で保存され、空間分析やクエリをサポートします。
- 標準化コード:EPSG:4326 は国際的に共通のコードで、WGS84 座標系を使用する地理データを識別します。
長所
- 世界共通:WGS84 は国際標準であり、GPS、GLONASS、北斗など主要なナビゲーションシステムに互換性があります。
- 高精度の参照楕円体:地心を基準に設計されており、WGS84 の参照楕円体は地球の実際の形状に高い精度で適合しています。これは、グローバルなアプリケーションに適しています。
- 広範なサポート:ほとんどの GIS ソフトウェア、ナビゲーションデバイス、地図サービス(Google Maps や OpenStreetMap など)は WGS84 をネイティブでサポートしています。
- 直感的な表記:緯度と経度の形式は直感的であり、地球表面上の任意の点の絶対位置を記述するのに適しています。
短所
- 平面座標系ではない:緯度経度は球面に基づく座標のため、平面距離や面積を直接測定することはできず、投影変換が必要です。
- 地域的な精度の差異:WGS84 はグローバルシステムであるため、特定の地域(特に高精度測量が必要な場合)では、地域的な座標系(例えば中国の CGCS2000)の方が精密です。
- 地形との実際の差異:高さ情報は楕円体モデルに基づいているため、実際の地形(例えば海抜高度)と差異があります。
応用シーン
WGS84 座標系(EPSG:4326)は、さまざまな地理データの応用において広く使用されています。ナビゲーションや位置特定システムでは、自動車、航空機、船舶などの地球上の位置を記述するために利用され、リアルタイムでの軌跡追跡をサポートします。オンライン地図サービス(例:Google Maps や Bing Maps)では、データの保存と表示の基盤として用いられ、地理的な位置情報の提供や経路計画機能を実現します。地理情報システム(GIS)においては、WGS84 は世界的な基準として使用され、異なるソースからの地理データを統合・共有するための基盤を提供します。また、環境モニタリング、物流輸送、軍事偵察といった分野では、地球表面の動的な変化を捉え、分析するために活用されます。さらに、IoT(モノのインターネット)やドローン技術の普及に伴い、WGS84 の位置情報サービスやリモートセンシング(遠隔感知)における重要性はますます高まっています。
例
- WGS84 の楕円体モデル。
- QGIS で EPSG:3857 マップ上に WGS 84 (EPSG:4326) 座標グリッドを表示する。
関連座標系
地理座標系
百度座標系
投影座標系
地理座標系
参考
- https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/iriomote_fc/pdf/gps-kisotisiki.pdf
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%AC%E5%9C%B0%E7%B3%BB
- https://gis.stackexchange.com/questions/426682/displaying-wgs-84-epsg4326-coordinate-grid-over-epsg3857-map-in-qgis