GISBox

E02ファイルとデータ形式

GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。

概要

E02 ファイルは、ESRI(Environmental Systems Research Institute)が開発した ArcInfo エクスポートファイル(E00 形式)の一部であり、分割されたエクスポートデータの 2 つ目のファイルです。E00 フォーマットでは、大規模な GIS データを複数のファイルに分割して保存することが可能であり、その際に最初のファイルが E00、2 つ目が E01、3 つ目が E02… という形で命名されます。E02 ファイル単体では完全な GIS データを保持しておらず、E00 ファイルと E01 ファイルと組み合わせることで、一つの完全なデータセットを構成します。これは、データの転送や保存時にファイルサイズの制限を回避するために利用されます。

データフォーマットの概要

E02 ファイルは、E00 形式の一部として、ASCII テキスト形式で構成されています。E02 単体ではGIS データとして利用できず、E00 や E01 と組み合わせて完全なカバレッジデータ(ArcInfo Coverage)を構成する必要があります。

E00 形式の主要なデータ要素は以下の通りです。

  1. ARC(アークデータ):道路や河川などのラインデータ
  2. PAL(ポリゴンデータ):行政区や土地利用区分などのエリア情報
  3. LAB(ラベルポイント):ポリゴンの属性情報を持つポイント
  4. TIC(タイポイント):座標基準点(地理的な位置基準)
  5. NOD(ノードデータ):ラインの交点情報
  6. CNT(ポリゴンの中心点)
  7. GRD(グリッドデータ):標高データなどのラスター形式の情報

E02 は、これらのデータの一部を格納する分割ファイルであり、E00 や E01 と結合することで完全なデータセットとして利用可能になります。

長所

  1. 大規模データの管理が可能:E00 フォーマットでは、データを複数のファイル(E00、E01、E02…)に分割できるため、サイズの大きな GIS データを効率的に保存・転送することが可能。
  2. テキスト形式で可読性が高い:ASCII テキスト形式のため、データの一部を直接確認・編集することができる。これにより、エラー修正やデータ管理が容易になる。
  3. ESRI の ArcInfo 環境と高い互換性:ArcInfo や ArcGIS の旧バージョンとの互換性があり、レガシーシステムでのデータ交換に適している。
  4. データの分割・圧縮による効率的な転送:1 つの大きなファイルとして扱うのではなく、複数のファイルに分割されるため、ネットワーク転送時のデータ破損リスクを軽減できる。

短所

  1. E02 単体では利用できない:E02 ファイルは E00 フォーマットの一部であり、E00 や E01 がなければ意味をなさない。単独では GIS データとして使用できないため、管理に注意が必要。
  2. 古いフォーマットであり、現在では非推奨:ESRI は Shapefile(SHP)や Geodatabase(GDB)など、より効率的でモダンなデータ形式を推奨しており、新しい GIS ソフトウェアでは E00/E02 のサポートが減少している。
  3. データ処理速度の低下:ASCII テキスト形式のため、バイナリ形式と比較してデータ処理速度が遅く、大規模データの取り扱いには向いていない。特に分割された E02 ファイルを含むデータセットは、結合処理が必要で時間がかかる。
  4. ESRI 製品以外のサポートが限定的:一部のオープンソース GIS(QGIS など)では E00 フォーマットを扱うことが可能だが、E02 の分割データの自動結合には対応していない場合がある。そのため、データを別の形式に変換する必要があることが多い。

応用シーン

E02 ファイルは、主に ESRI の ArcGIS 環境や旧 ArcInfo ワークステーションで使用され、大規模な GIS データの保存や転送に利用されます。特に、データサイズが大きすぎる場合にファイルを分割して転送できるため、異なる GIS システム間でのデータ交換に適しています。また、政府機関や研究機関が大量の GIS データをアーカイブする際のフォーマットとしても用いられ、ASCII テキスト形式であることから長期保存にも適しています。さらに、旧 GIS データを新しいフォーマット(Shapefile や Geodatabase)に変換する際の中間フォーマットとしても活用され、特に古い ArcInfo カバレッジデータを最新の GIS 環境で利用するための変換作業に役立ちます。

関連 GIS ファイル

STYLX

E00

LYRX

QLR

参考

  1. https://desktop.arcgis.com/ja/arcmap/latest/manage-data/coverages/importing-an-arcinfo-interchange-file.htm
  2. https://filext.com/ja/fairu-kakuchoshi/E02
  3. https://www.solvusoft.com/ja/file-extensions/file-extension-e02/
  4. https://www.file-extension.info/ja/format/e02